【晴海に住む夫婦がまとめる】晴海と豊洲をつなぐ「旧晴海鉄道橋」が遊歩道化するらしい!

晴海とは

現在、晴海と豊洲の間を結ぶ「旧晴海鉄道橋」が遊歩道化に向けて整備されています。

遊歩道化したら、晴海と豊洲が行き来しやすくなり、天気のいい日なんかはお散歩ルートになりそうですね♪ますます晴海の魅力が高まりそうで楽しみです。

今回はこの「旧晴海鉄道橋」の遊歩道化について紹介したいと思います!

「旧晴海鉄道橋」の歴史と晴海線

今回遊歩道化される「旧晴海鉄道橋」についてですが、場所はこちら↓

現在はGoogleMAPにて「晴海橋梁(旧晴海鉄道橋)」と出てきます。

この橋梁が「晴海橋梁(旧晴海鉄道橋)」です↓

東京都専用線の歴史|春海橋公園|海上公園なび (tptc.co.jp)

この付近は昔、東京港からの物資を運ぶ貨物専用鉄道である東京都専用線の一部として「晴海線」が整備された場所です。

東京都専用線は東京市が昭和5(1930)年に汐留駅~芝浦駅間の敷設をしたことから始まり、その後深川線、晴海線、芝浦線、日の出線と増設され、総延長は24㎞余りとなりました。

東京都専用線と晴海線の路線図はこのような関係です↓


「晴海線」では、貨物列車が昭和32~平成元(1957~1989)年の間「晴海鉄道橋」を渡って運行していました。(先頭のディーゼル機関車は「晴海号」のヘッドマークをつけています。かわいい!)

5:晴海の歴史 ~ 東京湾岸 | このまちアーカイブス | 三井住友トラスト不動産 (smtrc.jp)

晴海線では主に小麦、大豆、セメントなどを運んでいたそうです。

しかし、貨物専用鉄道の輸送量は、昭和40(1965)年頃をピークに、その後は自動車等の利用が普及するに伴い減少してしまいました。そして、東京都専用線は、昭和60(1985)年、一部区間から廃止が始まり、平成元(1989)年の晴海線廃止をもって全廃となりました。

「晴海鉄道橋」は晴海線開通の昭和32(1957)年から平成元(1989)年に「晴海線」が廃止されるまで、約32年間その役割を全うしました。

そして、この「晴海鉄道橋」は「晴海線」の廃線後に封鎖されましたが、現在まで形を残し、近年になって歴史的価値を見出され、遊歩道橋として整備されることとなったようです。

「旧晴海鉄道橋」の概要と特徴

「旧晴海鉄道橋」の概要

橋長:190.3m 幅員:3.8m 
設置経緯:臨港鉄道東京都専用線の晴海線開設に伴い架設 
使用期間:昭和32(1957)年~平成元(1989)年 
事業主体:東京都港湾局 建設工事:旧国鉄(委託事業) 
現状:平成元(1989)年の晴海線廃止以降、閉鎖管理 
歴史的鉄道遺構:鉄道橋として、日本初のローゼ桁及び連続PC桁 

ここで、「歴史的鉄道遺構:鉄道橋として、日本初のローゼ桁及び連続PC桁」とは何ぞや?と思った方、鋭いです!

「旧晴海鉄道橋」の最大の特徴は、鉄道橋として「ローゼ桁及び連続PC桁」という国内初の技術を採用したところにあります。

ここから少し専門的な話になりますので、興味のない方はこちらへワープしてください→進捗状況や完成イメージ

日本初のローゼ桁及び連続PC桁

橋についての基本的な知識を簡単に(本当に簡単に)おさらいしながら、「旧晴海鉄道橋」の特徴である「ローゼ桁及び連続PC桁」について説明したいと思います。

ローゼ桁

そもそも、橋にはいくつかの種類がありますが、代表的なものとしては以下の6種類が挙げられます。(「旧晴海鉄道橋」は「アーチ橋」(上路ではなく下路)に当てはまります。)

橋梁の基礎知識 その1-橋梁の構造と種類について | 【-For the 信州- 株式会社長野技研】 (naganogiken.co.jp)

そして、アーチ橋の中にもさまざまな種類があります。

アーチ橋 – Wikipedia

構造の違いによって種類が大別されますが、「旧晴海鉄道橋」は補剛桁とアーチ部材の双方で曲げモーメントを分担する「ローゼ橋」に当てはまります。

「ローゼ橋」は補剛桁とアーチ部材ともに同程度の太さであることが特徴です。

これが「旧晴海鉄道橋」の特徴の「ローゼ桁」です。

連続PC桁

また、一般的に橋は、以下のような構造になっています。

橋の構造【各部材の名称や役割、橋梁の種類を解説】 | 伸縮装置基礎知識 | 伸縮装置Navi (jointnavi.net)

「旧晴海鉄道橋」の特徴の「連続PC桁」とは、「連続桁」である「PC桁」のことです。

連続桁:橋桁が2径間以上にわたって連続し、かつ支承により支持されているもの。
    耐震性にも優れ、伸縮装置の減少から走行性や維持管理に有利な構造といえる。

「旧晴海鉄道橋」に当てはめてみると、「連続桁」とは簡単にいえば、以下の画像で丸で囲んだように複数の橋脚があるともいえますね。

PC桁:鉄筋より高強度な鋼材(PC鋼材)によってプレストレス(Prestressed)を与えられたコンクリート(Concrete)でできた桁。

PC(プレストレストコンクリート)の経緯で分かりやすい説明があったので、引用させていただきました。

PCとは – コーアツ工業株式会社 (koatsuind.co.jp)

また、PC桁はこのように作られます。

PCとは – コーアツ工業株式会社 (koatsuind.co.jp)

ローゼ桁及び連続PC桁

したがって、「旧晴海鉄道橋」は鉄道橋として、日本初のローゼ桁及び連続PC桁という工法を採用した橋であって、

ひび割れしづらく、耐震性にも優れ、伸縮装置の減少から走行性や維持管理に有利な構造である

という特徴を有しているといえますね。

進捗状況や完成イメージ

進捗状況

令和6年8月現在、下部工耐震補強工事と上部工補修工事が完了し、残すは遊歩道化工事のみのようです。

 工事内容	     進捗状況
令和2年度 旧晴海鉄道橋耐震補強工事(晴海側下部工) 完了
令和3年度 旧晴海鉄道橋耐震補強工事(豊洲側下部工) 完了
令和4年度 旧晴海鉄道橋上部工補修工事完了
令和5年度 旧晴海鉄道橋遊歩道化工事 現在進行中(工期:令和7年6月まで)

令和7年6月までの工期のため、延期などがなければ来年夏頃には完成し、供用が開始されるのではないでしょうか。

完成イメージ

東京都港湾局が完成イメージを発表していました。橋の手前側が晴海、奥側が豊洲です。

hp_01_harumitetsudo_R6.pdf (tokyo.lg.jp)

今でこそアーチ部分は錆(さび)で赤く変色してしまっていますが、当時は緑っぽい色合いだったようです。完成イメージとしても当時の色合いを再現する予定のようで楽しみですね。

また、旧晴海鉄道橋と晴海地区の接続部分も整備されて、晴海側に公園のような広場もできると嬉しいです。

現状と完成後の楽しみ方

現状

晴海地区は勝どき、月島、豊洲に囲まれており、これらのエリアへのアクセスも良好です。

中でも豊洲は大規模商業施設である「ららぽーと」があり、晴海からも徒歩圏内のため、晴海から豊洲へ向かう方もたくさんいます。

しかし、現在はこの遊歩道橋がないので、豊洲方面へは、車道と歩道が一体となった「春海橋」を通って向かうことになります。春海橋は一応歩道と自転車道が分かれてはいるものの、自転車の通行も多く、歩行者と自転車の接触事故なんかも起こっているようで、危険な状態です。

「旧晴海鉄道橋」が遊歩道として整備されれば歩行者は遊歩道を通ることができ、通行の安全面からも整備の重要性があると思います。

完成後の楽しみ方

せっかくなので、遊歩道が共用されてからの楽しみ方を考えてみました。

①遊歩道そのものを見て、渡って、思いを馳せて楽しむ

やはりまずは、「旧晴海鉄道橋」の当時の色合いが再現されたアーチ部分や、当時のまま残っている橋桁など、歴史的鉄道遺構としての橋を見て楽しみましょう。

特に、春海橋から見ると、豊洲湾と一体となる景色や、橋の下を船が通る様子、奥の方にレインボーブリッジも見えて素敵だと思います。

また、実際に渡りながら、当時の情景を思い浮かべるのもいいですね。晴海線があった時の風景と照らし合わせながら渡るのも趣深いです。

②散歩コースとして楽しむ

「旧晴海鉄道橋」は豊洲と晴海をつなぐ橋ですが、晴海や豊洲は湾の周りが公園として整備されています。歩くのはもちろん、サイクリングをしながら湾の空気を感じるのもおすすめです。

おすすめのルートはこちら。

晴海臨海公園 水辺のテラス→「旧晴海鉄道橋」→豊洲船着場 というルートです。

このルートは豊洲湾を囲むように歩くことができ、開放的な湾岸沿いの雰囲気を感じられます。

晴海臨海公園 水辺のテラスは、手入れされた草木も多く自然豊かな公園で、心が癒される場所です。ベンチもあるため、ひと休みしつつゆっくりと歩けます。

ちなみに、上の画像の左下に見える「中央区立晴海臨海公園」には珍しくドッグランもあるので、ワンちゃんを飼っている方は是非行ってみてください。

また、到着地の豊洲船着場は「アーバンドックららぽーと」の目の前に広がる広場で、東京港お台場方面を巡るクルージングもこの船着場から出航しています。

この付近は日中には出店も出ていて、カフェもたくさんあるので、散歩後にちょっとカフェで一息…なんてこともできちゃいます。

まとめ

今でこそタワマンが建ち並び、湾岸エリアの一つとして名を馳せている晴海ですが、昔は東京港からの物資を運ぶ鉄道が運行しており、今とはまた違った顔をもつエリアでした。

開発が進む晴海ですが、こうした歴史的構造物を取り壊すのではなく、これらを生かした、歴史と共存するような整備が行われていることがとても嬉しいです。

来年の完成が待ち遠しいですね。
遊歩道橋が完成したら、今まで以上に晴海から豊洲に行く回数が増えそうです♪

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